『サークルの趣旨に合わない人』への対応はどうする? トラブルを避け、スマートにお断りするための4つのステップ
Category:特集「ガチで練習したいサークルなのに、一人だけお喋り目的で来る人がいる」 「和気あいあいと楽しみたいのに、やたらと他人に厳しく指導する人がいる」
サークル運営をしていると、必ずと言っていいほど直面するのが「趣旨に合わないメンバー」の問題です。 明らかにルール違反をするわけではないけれど、その人がいると場の空気が微妙になる…。そんな時、主催者はどう動くべきでしょうか?
「誰でもウェルカム」は素敵な精神ですが、「合わない一人」を放置することで「合う十人」が去ってしまうことは絶対に避けなければなりません。
今回は、お互いに傷つかず、スマートに問題を解決するための4つのステップと心構えをご紹介します。
ステップ1:まずは「ルールと目的」を全体に向けて再提示する
特定の個人に注意する前に、まずは「サークル全体の基準」を明確にしましょう。 本人は「自分がズレている」と気づいていないだけのケースも多いからです。
スマートな対応: 特定の誰かではなく、全員に向けたメッセージとして、改めてサークルのスタンスを発信します。
- 「最近、活動中の私語が増えています。練習時間を大切にするため、プレー中は集中しましょう!」
- 「このサークルは『楽しむこと』が最優先です。ミスを責めるような言動は控えましょう」
まずは「全体へのアナウンス」という形でジャブを打ち、本人が「あ、自分のことかも?」と気づくきっかけを作ります。
ステップ2: 「I(アイ)メッセージ」で個別に相談する
全体へのアナウンスでも改善されない場合、個別のコミュニケーションが必要です。 ここで重要なのは、「あなたが悪い(You)」と責めるのではなく、「私はこう運営したい(I)」という視点で伝えることです。
NG例(Youメッセージ): 「あなたのやり方はこのサークルに合わないので、直してください」 → 相手は攻撃されたと感じ、反発します。
OK例(Iメッセージ): 「私(運営)としては、初心者でも萎縮せずに楽しめる雰囲気を作りたいと考えています。〇〇さんの熱心なアドバイスはありがたいのですが、もう少し見守るスタイルに協力してもらえませんか?」
「サークルの方針」を主語にすることで、人格否定ではなく「方針のすり合わせ」という土俵で話し合うことができます。
ステップ3: 「ミスマッチ」であることを伝え、別の道を提案する
話し合っても平行線の場合、残念ながらその人はあなたのサークルに合う人ではありません。 ここでのキーワードは「ミスマッチ」です。相手が「悪い」のではなく、「合う・合わない」の問題に落とし込みます。
スマートな伝え方: 「〇〇さんはもっとレベルの高い練習を求めているように感じます。うちのサークルではその要望に応えられないので、〇〇さんの時間がもったいないかもしれません」
「あなたの実力を発揮するには、もっとガチ勢向けのサークルの方が楽しめると思いますよ」
このように、「あなたのタメを思うと、ここは最適な場所ではない」というニュアンスで伝えるのが、最も角が立たない大人の対応です。
ステップ4: 最終手段は「運営判断」として毅然と断る
ステップ3まで尽くしても居座ろうとする、あるいは他のメンバーに害が及ぶ場合は、主催者として「守るべきものを守る」決断が必要です。
毅然とした対応: 「大変申し訳ありませんが、サークルの運営方針と合わないため、次回のイベントからの参加はお断りさせていただきます」
ここでは理由を長々と説明する必要はありません。「方針と合わない」「運営側の総合的な判断」という言葉で締めくくります。 冷たく感じるかもしれませんが、既存のメンバーが安心して楽しめる環境を守ることこそが、主催者の最大の責任です。
まとめ: 「去る者」への対応が、サークルの質を決める
「来るもの拒まず」の精神は大切ですが、それは「誰でもいい」という意味ではありません。
- サークルの「目的」を明確にする
- 合わない人には「ミスマッチ」であることを伝える
- 残ってくれるメンバーのために、時には厳しい判断をする
この「フィルター」をしっかり機能させることで、結果的に価値観の合うメンバーだけが残り、居心地の良い、長続きするコミュニティが育っていきます。
「全員に好かれるサークル」は存在しません。「誰のための場所なのか」を常に軸に置いて、スマートな運営を目指しましょう。
